パラダイムシフト

エクス・マキナ (字幕版) 火の鳥 3 空気人形 [DVD] アバター (字幕版) 藤子・F・不二雄少年SF短編集 (2) (小学館コロコロ文庫) アイアムアヒーロー(21) (ビッグコミックス)

 

 

初めて「パラダイムシフト」という単語に出会ったのは、確か小学生か中学生の頃、国語の教科書で取り扱われていた時のことでした。パラダイスじゃないの?と思いながらも読み進めてみると、それまで学んできた語とは違うよくわからなさがあって、今振り返ってみると、それは初めて抽象的な考え方というものに触れた瞬間だったのだと思います。

iTunesのレンタル開始を楽しみに待っていた「エクス・マキナ」は、CGの自然さに圧倒される一方、ストーリーは極めて王道そのもので、驚きはないのに画面から目が離せないという不思議さがありました。液晶画面に映る言語がPythonだったのは、Googleをモチーフにしているからかな?という小ネタを楽しみつつ、大きく世界観がオーバーラップするのは手塚治虫火の鳥 復活編』です。社長は猿田博士のようにあくなき知的好奇心と自身のエゴに駆り立てられ、我が子をガラスの檻に閉じ込めます。しかし、人工知能という文脈によって描かれる未来が、献身的な愛よりも現実的で。また、人工知能エヴァに、映画「空気人形」のペ・ドゥナを思い出しました。ペ・ドゥナの血まみれの愛とは対極にある生が描かれているのだけれどね。

 

物語の中で、「そのうち俺たちは、人工知能からは旧人扱いさ」みたいな言い回しがあって、それがなんとも良かったです。いつか来るだろうパラダイムシフトを想像すると、希望と絶望が混ざったような不思議な気分になります。そんな気楽なことを言えるのは、当事者意識がないからかな。パラダイムシフトといえば、前に「AVATAR」を映画館で観た時の快感に、筋肉系の松井から関節をしなやかに動かすイチローという身体性の変革を思ったことを思い出します。

いつだって自分たち側からの視点が正しいような気がしてしまうけれど、もしかしたら、シフトした先に幸せがあるのかもしれない、という楽観的な思いは捨てきれずにあります。藤子・F・不二雄「流血鬼」ラストの名シーンは、雪の結晶のちらつきさえも忘れられないし、花沢健吾アイアムアヒーロー」のZQNには納得すらしてしまいます。もし、いつかゾンビになってしまいそうな瞬間が来たら、その時は思い切って、その先にあるだろう新たなパラダイムを信じてみたい、なんてね。